この2人
親子ではっきり出ている。
ここで一旦流れを切らねばならないと。
実際1度は親子の縁を切ってマウリツィオは結婚前からパトリツィアの実家に転がり込む。そこでそのファミリー会社に雇ってもらって生活するのですが、実に楽しそうで調子がいい。
うん、そりゃあそうでしょうよ。
なのに父が亡くなるとやはりとんでもない遺産が相続されるわけで、地位名誉財産に目が眩む嫁の全力推しもありグッチ家に逆戻り。
それが悲劇のスタート。
マウリツィオの世代でグッチの株を持っている、つまり会社所有者は4名。身内4名で分け合った形になったのですが、その中で(1人は生年月日不明ながらも)命式的にどう見ても継いでいいのはパオロ。
しかし。
センスがない、できないというダメ人間扱いされ続けているパオロ。
父親も
うちのパオロ、あれはダメだ・・・マウリツィオ、君は優秀だ。君に期待している。
みたいなことを平気でしょっちゅう言うわけですよ。
そこやぞーそういうところやぞー!!
あんたが
せっせと息子をぶっ壊してダメ人間にしてるんや~!
これは辛い。見ていて苦しい。
常に身近な身内と比較され、馬鹿にされ、自分のありのままを受け入れてもらえず、否定ばかりされる環境で育ち、働き、生きる人生。こんなに人間にとって毒になる環境ってありません。
誰でも病みます。
心の穴がどんどん大きくなっていく。
パオロが
本当にポンコツだったのかどうかは分からない。
けれどもパオロの父アルドはそりゃあ優秀だったでしょうよ、というセンスの塊のような命式。彼から見れば全くタイプの違う息子は頼りなく見えてもおかしくない。
パオロは当然自分のデザイナーとしての才能を父にも叔父にも認めて欲しい。
一方マウリツィオは
昔からどうも家系の中にいるのを心地良く思っていなかった。
本能的に『ここから出なければ』と思っていたのでしょう。
出たい。
でも親に反発し、恨みながらも離れられずにズルズルいってしまう。命式そのまんま。
そして家系の流れに逆戻りし巨万の富を得てしまうことによって、せっかくの初代運のパワフルで優秀な才能が稼働しづらくなる。そうなると自己破壊的快楽に流されることになる。
地位名誉財産を山ほど手に入れようと、持って生まれた才能を活かし切れないことほど苦しいことはありません。
この世の中は陰と陽、虚と実、無形の世界と有形の世界、両方成り立って行くことで存続し続けられる。
けれども有形物質世界に生まれてきた人間はどうしてもそちら引きずられ、無形の世界を忘れがち。疎かにしがち。
有形物質世界が短期間に極端に肥大する時、無形の世界はそのスピードについて行けているだろうか?
そうでない場合バランスが大きく崩れ、必ずほころびが出る。
目に見えない無形の世界で、その精神が湖に張る薄氷のような人が出てくる。
そこを遠慮なく踏んづけられバリンと割れる。それはもちろん有形世界にも可視化される形で現象化する。
割れて粉々になった人は回復できるのか。
踏んづけて利を得た人は、粉々になった人をフォローしたか。
していなければ、それは一族の中で運の奪い合い状態になってしまっている。
それは続かないのだよね。
本日もお読みいただきありがとうございました。
家系が続いて行くこと、ビジネスが続いて行くこと、何かの形が末永く継承されて行くこと・・についてはまさにそのテーマこそが算命学の神髄であるため、書き始めたら止まらなくなってしまいます。
なので続きはまた別の機会に。
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