さて。
今回の北西フランス旅行、最も印象に残った場所は想定外にもユネスコの世界文化遺産の一つ、モン・サン・ミシェルでした。どうですかこの神々しい佇まい。
想定外というのは、世界的に有名な観光名所は人が多すぎたり何だりで結構がっかりすることがあるからです。大抵あまり期待せずにとりあえず行ってみる、という感じになります。
しかし初めて遠くから実物を目にした瞬間、小学校の修学旅行で初めて富士山を見た時の感覚が甦ってきましたよ。あの雄大で堂々たる佇まい、そしてどう見ても『 ああ、ここには神様がいらっしゃるな 』という思わず畏敬の念に頭を垂れずにはいられない神々しさ。あの時に受けた感覚と同じだ、と思ったのです。
ここは最高80mの高さがあるらしく、遠くから見ても一目ですぐ分かります。
周りは平地で、かの地を目指して車で遠くからやって来て、あの特徴あるシルエットが小さくも視界に入って来た時の感動ったら!
ああ!あれがかの有名なモン・サン・ミシェルだ!何と美しい・・・
と本当に嬉しくなるものです。それは造形美だけでなく、そこから放たれる目に見えない濃厚な何かが強いのです。存在感がものすごい。そしてそれは怪しいものでも黒いものでもなく、やはりここでも時代を経て大勢の人々が『 ここを大事にしていこう、後世に伝えて行こう 』とした心意気、愛情の無数の積み重ねといったものが分厚くこの地を守っている、その空気なのです。
少し引いて見るとこう。
私たちが行った時は干潮でした。満潮で周りを水が取り囲めば、また別の美しさが見れるのだろうなと思います。というかその造形、佇まいが美し過ぎて、満潮だろうが干潮だろうが、昼だろうが夜だろうが、春夏秋冬どの季節だろうが、どこから見ても絵になるのです。本当凄い。
そして大変な数の旅行者がいるにもかかわらず、ゴミがたんまり・・といったようなことはなく大変綺麗にキープされていました。上の写真でも引き潮の地に降りて歩いている人たちが見えますが、その砂も白く細かくサラサラで、裸足で歩ける綺麗さです。
ところで私と三男は旅行に出る前にこちらの番組でモン・サン・ミシェルについてちょっと知識を得てから行きました。
この要塞兼教会など宗教施設(兼かつては刑務所も)は元々ある修道士が寝ている時、夢に大天使ミカエルが現れて『 あそこの巨大な花崗岩の上にお祈りの場所を作りなさい 』と告げられたのが始まりと言われています。
彼はしかしその夢を『 ま、ただの夢やしな 』とまともに取り合わなかったのですが、4回目にミカエルが出て来た時『 ええ加減に言う通り礼拝所を造らんかい 』とゴチンと頭を叩かれたとか。その時夢で叩かれたところに穴が開いたらしいのですが(怖)、すぐ目が覚めて『 まーたあの夢かいな・・・』と頭を触ってみると本当に穴が開いていて(だから怖いってば・笑)ようやく礼拝所建設に取り掛かったのがスタートと言われています。
その キレたらド突く 大天使ミカエル様がモン・サン・ミシェルの塔の天辺に燦然と輝いておられます。
この画像はネットからお借りしました
剣と翼は銅で出来ていて、避雷針の役割も果たしているそうですよ。すごいね。うちの子たちは大喜びでこのミカエルのキーホルダーを買っていました。
そしてド突かれた修道士の頭蓋骨が残存しているらしい。ホンマかいな・・
ちなみにこのモン・サン・ミシェルは巨大な1つの花崗岩の上に建立されております。その巨大な1つの花崗岩は一体どこから出て来たんだ?は未だに謎らしく、空から突然降ってきたわけでもなし、地中から岩石が押し上げられた形跡もなく、もしかしてその昔火山のマグマの塊が地中から押し上げられてきたけどこの高さには氷河があって、そこで冷えて固まったんちゃう?というのが今のところ定説らしいです。
その上に例の 頭に穴開けられた 修道士が礼拝所を建てたのがスタート、と。
この地はこの花崗岩石が大変多く、まさにこの花崗岩をレンガにして積み上げた建物が多く見られます。大変美しいですし、きっと潮風にも強いのでしょうね。上の写真もそうです(見えにくいですが天辺に大天使ミカエルがいます)。
まだまだ写真はあるのですが、Instagramの方に譲ります。Uploadがゆっくりですが、よろしければご訪問下さいね。
本日もお読みいただきありがとうございました。
余談:
夫はしきりに『 あの “ 天空の城ラピュタ ” を作った人はさあ、絶対モン・サン・ミシェルをモデルにしてると思うんだよね 』と言っていましたが、そうなのかな?
コメント