算命学は陰陽五行説をベースにした暦学に基づくものです。
まだまだ今のように科学が発達していなかった古代中国で、賢人たちが
天体を観測していると、どうもこの地球を包含する宇宙という世界には規則があるらしい
それは自然の5つの要素に分解して整理し直して、理解・把握することができるぞ
と気付いたことがスタート。
この宇宙の理、自然界の決まりごとを陰陽五行説で理解できる。そして人間もその宇宙の中に存在するということは宇宙と同じ構成要素で出来ているということなので、同じ理屈で人間のことも分析し、理解し、把握できるというのが算命学の根本思想。
そして自然界を見渡せば、あらゆる事象は時間をかけて生まれて来ると分かります。灰をぶん撒けば次の瞬間には満開の桜が目の前に、というのはおとぎ話の中だけ。どんなに急激な変化に見えようと、その裏には時間をかけて蓄積された変化の種がある。そう、自然界は時間をかけてしか移ろうことはないのです。
算命学とは万象学なので、理解が進むほど『 あらゆるものの変化には時間が必要 』ということが身に沁みて分かります。
それは宇宙の構成要素からなる人間についても同じ。全く同じです。
私たちの住む社会では、早いことは良いことだと思われがちです。早く九九を覚えればスゴイ、早く楽器をマスターできればスゴイ、早く社会で成功すればスゴイ、早く早く早く・・・
でもそうじゃない。
早くなくていい。全然早くなくていいのです。皆それぞれにテンポがある。特に子供たちの成長には、大人の気分や都合に合わせて何でもかんでも急かして急成長を強いるのは、大変な弊害があると思っています。
それぞれに持って生まれた歩幅とスピードがある。目に見える急激な成長というのは見ている分には楽しいかも知れませんが、自然の摂理から言うと不自然で、その反動が出ることを覚悟しなければならない。
勉強をマスターするのも、習慣を変えていくのも、人間関係を広めていく(もしくは整理していく)のも、親子関係・家族関係を育んでいくのも、ダイエットだって病気からの回復だって、生きるということには時間がかかる。かかっていいのです。むしろ積極的に時間をかけていい。全て焦らなくていい。早くなくていい。自分を急かさなくていい。
私の大好きなドイツの文豪、ヘルマン・ヘッセも言っています。
忍耐は最も難しく、そして唯一学ぶに値するものだ。
自然も成長も全て、そしてどんな安らぎも、いかなる秘密も、この世界の美も、全ては忍耐の上に成り立つ。
それらは時間を、静寂を、そして信頼を必要とするのだ。
ヘルマン・ヘッセ
自分のテンポを大切にしよう。
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