ロックダウンの影響で、子供の学校がオンライン授業になってよかったこともあります。
例えばドイツの子供たちがどうやってドイツ語を勉強しているのか、リアルタイムで授業を見られる。
へぇ~なるほどー!!
そうやって発音とか、言葉とか勉強するんだ~!
と感心しつつ見ています。
やっぱり大人が外国語を勉強する方法とは全く違いますのでね。
あと、この年代だと1回の授業でこの程度だけ勉強してればいいのね、とか。
そして本日は、ドイツにとってはこういう日でした。
ナチズム(国家社会主義)による犠牲者に思いを馳せる
76年前の今日、アウシュビッツが解放されました。
子供の授業を横で聞いていると、先生が子供たちに話し始めました。
今日はドイツにとってとても大切な日なのです。
昔、我々ドイツ人は・・・といっても君たちは何も悪いことをしていないんだよ
でも何があったか知っておくことはとても大切だからね。
そう、我々ドイツ人は自分たちとは違う外国人、特にユダヤ人にとても酷いことをしたことがありました。
から始まって、まだ1年生なので動物の絵本の読み聞かせを例えにして
自分たちと違うものを食べてるから
自分たちと違う言葉を話すから
自分たちと生活の様子が違うから
だからつまはじきにされてしまう1匹の動物のお話を用いて
その当事者だったらどう思うでしょうか?みたいな感じで授業が進んで行きました。
ドイツはそういった戦時中の愚行を絶対に忘れない!という国自体の決意がものすごく強く
今日のアウシュビッツ解放記念日だけでなく、年中本当に頻繁にナチス関連の反省イベント、記念日が沢山あって
ドイツに来た頃は
この間もやってたけどまたやってる、こんなにしょっちゅうするものなのか~!
と驚き感心したものです。
たとえば本日私が見かけたものをパラパラ抜粋して見ただけでも以下のような感じ。
起こってしまったことは起こってしまったこと。それはもう変えられない。
でもそんなことが二度と起こってはならないということ、それは即ちあなたたちの未来なのよ。
ホロコーストの生存者、マーゴット・フリードレンダー
アウシュビッツ解放から76年経った今日
ダイムラー(ベンツ)、フォルクスワーゲン、ドイツ鉄道そしてボルッシアドルトムントのサッカーチームは
ホロコースト追悼の地であるヤド・ヴァシェム(※)とともにその犠牲者に思いを馳せ
また自身にも責任があることをを自覚します。
※ ヤド・ヴァシェムは、ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺の犠牲者達を追悼するためのイスラエルの国立記念館。エルサレムのヘルツルの丘にある。
当時ドイツ帝国国有鉄道(現ドイツ鉄道の前身)は
ナチスドイツがヨーロッパにいる何百万人ものユダヤ人を強制移送し殺害する行為の一端を担いました。
ドイツ鉄道理事長、リヒャルト・ルッツ
フォルクスワーゲンは当時32000人の強制労働を利用しましたが、その殆どは強制収容所にいたユダヤ人でした。
今日、フォルクスワーゲン社代表役員の一人であるグンナー・キリアンはこう言います。
『 我が社は強制収容所の囚人を使った強制労働という、ドイツの黒い歴史に極めて濃厚な関わりを持っていました。』
そして外務大臣のハイコ・マース氏
未来のために必ず記憶に留めておかなければならない。
我々は今日、ドイツによって計画的に実行されたホロコーストの600万人もの犠牲者に思いを馳せます。
アウシュビッツとその解放に。
そんなことが二度と起こらないようにするのかどうかは、我々の手にかかっているのです。
第二次世界大戦を生き抜いた人々、その記憶がある人がどんどん少なくなってくる今、そしてこれから。
あのような愚行を何が何でも絶対に将来繰り返さない!と国が本気で語り継ぎ、教育し、ことあるごとに思い出す取り組みをするのか
記憶が薄れるがままに放置して、こともあろうに
我々は別に悪いことしませんでしたけど?
と開き直る態度で、歴史を後世に伝えず有耶無耶にして進んで行くのか。
国によってその未来の姿、その差はどんどん開いていくのかも知れないなと思います。
過去に起こったことに関して、君たちに責任はない。
しかし将来何が起こるのかに関しては、責任があるんだよ。
ホロコースト生存者、マックス・マンハイマー(1920~2016)
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