3月はじめに出ていたこの遠野なぎこさんの記事について書こうとずっと思っていた。
思っているうちに、3回目のスピード離婚のニュースが出てきましたね。
彼女に関しては(私がドイツにいて日本のテレビを見ないため)TVでどんなご様子か知らないものの、以前に生育過程で虐待を受けてらしたことを知り、日干支が私と同じ癸巳であることなどから何となく記憶に残っていました。改めて上の文春の記事を読むと実家の地獄度が凄まじい。そしてあまりにおやつれになって以前と随分ご様子が変わってらっしゃることに驚いてしまった。
親の暴虐放題の虐待が子供の内面と人生をどれだけ破壊することか。どれほど罪深いことか。
彼女は若い頃から女優として活躍なさっていたようだけれど、親が駄目でもこの人には心を許せた、この人は本気で私を思ってくれていたし愛してくれていたと思えるような大人は周りにいただろうか、と考えてしまう。芸能人としてきゃあきゃあ言われちやほやされる環境はあったであろうけれど、特定の信頼できる大人と本当の信頼関係を結ぶという経験はなかったのではないかという気がする。その有無は大きい。ほんの少しでもそれがあることが、後の人生をどれだけ好転させることか。どれほど生きる希望に繋がることか。
立場上、仕事柄
大丈夫です、親とも縁を切っていますし私はもう回復しました
と元気な姿勢を見せなければいけないのだろうと思う。
けれども(今日初めてその存在を知りましたが)彼女のブログをぱらぱら見ると
ああまだこの人はのたうち回るほど苦しいフェーズにいるのだな
一体この苦しみはいつまで続くのだろうか、はたして夜が明ける時が自分に来るのだろうかと暗澹とした気持ち
心が大荒れの嵐で何をどうしても辛くて全く落ち着かない、ちょうど一番苦しい段階を歩んでらっしゃるのかも知れない
というのが窺い知れるのです。
『我が子を食らうサトゥルヌス』 フランシスコ・デ・ゴヤ
私が彼女の年齢の時も、同じような感じだった記憶がある。
私はお酒や男性に走ることは一切なかったけれど、心の内の大嵐は同じだからよく分かる。
大波の荒れ狂う大嵐の海の底には煮え滾るマグマがどくどく流れている。怒りだ。それは血の繋がった、自分を生んで愛してくれるはずであった親に始終ゴミのように無下にされ続けた怒り。自分に火の粉が降りかかりさえしなければそれでいいと、それを見て見ぬフリしてのうのうと毎日を過ごしていただけの家族への怒り。何も悪いことはしていないのに、精一杯毎日を生きているだけなのに、面倒を全て押し付けられ、責任を全て擦り付けられ、感謝どころか貶され続け、口封じされ悪者にされ泥を被らされ続けてきたことに関しての、助け舟を出してくれなかった周りの大人たちへの怒り。
だからこそ彼女のその嵐が1日も早く静まって、凪の状態になりますようにと心から願わずにはいられない。
きっとその時は来る。誰にでも確実にくる。ただ時間がかかるのだ。とてもとても。何十年も溜め込んだ怒りは、やはり鎮火するのに何十年もかかる。どうしてもかかるのだ。残念ながら一朝一夕にひとっ飛びできる特効薬はない。心の底からあって欲しいと思うけれどない。
その長い時間とにかく自暴自棄にならず、心の中で血反吐を吐きのたうち回り、七転八倒しながらも耐えるしかない。ひたすら耐えるんだ。根性論的になるけれど、これは何をどう頑張っても自分が乗り越えるしかない人生最大の壁なのです。猛烈ドブ家系に生まれた者の宿命として。そこから逃げてしまうとドブの流れを更に継承させていくことになってしまう。自分の代で終焉させられない。
代々山のように積み重なった悪臭を放つドブ家系のヘドロ、家系の因縁を解消するということのおそらく本当の要のところがここなのだろうと私は考えています。
算命学でいう若くして家系を離れる、離郷する、家系のカラーとは違う生き方をする、別の家系に入る云々・・という形の話は全て上の『七転八倒しながら自分の中で因縁を昇華させるのに有効な形ですよ』という補助的な意味なのだと。
彼女は午未天中殺でありある意味ドブの流れを一身に受け止めて、未来には継続させない係の人。自分が矢面に立って、周りの兄弟姉妹、そして次の世代に
ここは俺に任せろ!
お前たちは無事に進んでいけー!
という役割。
彼女は今までの生き方と、そして(今のところ)お子さんがいらっしゃらないので、そういう形で因縁を継続させないという責任を果たしてらっしゃる部分もあるのでしょうね。そしてそういう大変な時期が人生の真ん中にくるからこそ、因縁解消過程を乗り越えられるように壮年期天将星なのだろうなと。
自分が家系で都合よく泥を被らされていることに気付いていない人は結構います。ドブ掃除をさせられているのに、そこに人生の大半をつぎ込まされているのに、それが普通の人生だと思わされている人も多い。それは悪ではない。けれどもそこに気付いて、自分と環境を客観的に見て判断できるようになり、そして心身ともに半死状態から回復して行く・・・つまりそこから本格的に因縁の解消に入るのは本当にエネルギーが要るし、時間もかかるし、家系によって人によってその内容やカラーも変わってくる。その具体的なところは自分にしか分からない。
私には心の底から応援し祈ることしかできないけれど、そこから這い上がれるということを身をもって経験し知っているので、今泥の中を暗中模索状態で進んでいる人も諦めないで下さいね。
本日もお読みいただきありがとうございました。
必ず夜は明けるから。
Morning Glory by Maurice Hagemans (1852-1917) Belgian
コメント
親が子供を食い扶持にするパターンですね。そうでない方もいらっしゃるとは思います。我慢強く、人の心の機微を読み取ることができるという毒親育ちの美点はベクトルがプラスに働けばよいですが、ベクトルの方向が自分にむき自分を責める方向にいきがちです。この美点がたぶんHSPと呼ばれるものの本質なように感じます
毒親との奴隷関係を解消しないと、ブラック企業、変な上司、ろくでなしな恋人、フレネミーを引いてしまいがちです。男運や対人運がないのでなく、親に自尊心を壊されているからNOをいえないこと、他人に助けを求められないこと、親と似た人間だから慣れ親しんだ関係性だからなんですよね。このことに気づけないから、職場でも私生活でも大変な目になりますよね。個人的な感想ですが、芸能人は毒親育ちが多い気がします。
芸能人というか、小さい頃から芸能活動をスタートしている人にもしかして多いのかも・・・?