自分が “ 愚にもつかないくだらない世界 ” にいると気づいたら、まず何故自分はそんなところにいることになったのか考えた方がいい。就職活動が~みたいな表面の話をしているのではなく、何故そんなレベルの世界と自分は縁を持つことになったのか。
そこで知るべき・学ぶべき・経験すべき何かがあるのか。あるならあるでそれをさっさと片付けて、次のステップに移るべくそこを去ればいい。
いや、もしかするとそんなレベルこそがピッタリな自分がそこにいたのかも知れない。周りの人間も環境も合わせ鏡で、ある意味この世の中も『類は友を呼ぶ』。なので見下しているその世界は自分にジャストで相応しい世界だったと、本質を突きつけられているのかも知れない。
馬鹿馬鹿しくて堪らなくて、ムカついてやってられないなら、まずはそこを見極めるのが先決。
5年も10年も憤懣遣る方ない思いを抱えながらズルズル何も学ばずそこに居続けて、結局自分は何の成長もしないまま何とかそこから離れることになったとして、今度はそこの悪口を大声で汚い言葉で吹聴するような醜態を晒してはいけない。
その “ 愚にもつかないくだらない世界 ” を “ 愚にもつかないほどくだらない ” と認識していながら長々と足を洗えなかったのは自分の弱さ。そこで何も学べず、本質を掴むことができなかったのは自分の無能さ故。
この世界は目に見える世界と目に見えない世界から成り立っている。
そして人は往々にして目に見える世界に比重を置きがち。信頼を置きがち。いとも簡単に釣られがち。
何故なら人は生まれてくる時に、目に見えない世界を感知する能力を薄められ、目に見える世界を存分に経験するために五感を与えられ、生まれてきてからはその五感を十分使いこなせるよう訓練されるから。
それはそれでとても大切。
でも目に見える世界ほど誤魔化しの利くものもない。本ものに触れたり、本ものを追究するというのは究極的には目に見えない世界の話になってくる。そこの感性を如何に磨くか。
心で見なければ物事はよく見えないってこと。大切なことは目に見えないんだよ。
by サン・テグジュペリ(星の王子様)
世の中は虚飾に満ちている。何故なら皆いとも容易くパッケージに釣られるから。派手でモダンなパッケージのものが、声の大きいものが、メジャーなものが本ものなのだろうと、自分で確かめることもなく飛びつくから。テレビに出ているから、ナントカ大学を出ているから、ナントカ大学の教授だから、◎◎の会社でナントカという役職だから、いくら稼いでいるから・・・なんかも全部それ。
飛びついた後、その中身が本もので自分に本当に必要なものか確かめることもほぼないから。
だから『中身なんてなくても外側だけそれらしく取り繕って、それに引っ掛かる人を上手く集めて利を出せた者勝ちだよね、この世界は』みたいな狸の化かし合いがあちこちで見られる。釣るも釣られるも同レベル。
そんな虚飾が馬鹿馬鹿しいと思うのなら、虚飾を見破る力をつけなくちゃいけない。
本もの【 らしい 】世界から飛び出て、本物の世界で生きたいなら、自分が本物を生きなくちゃいけない。自分が本物の自分として内と外をぴったり合わせなくちゃいけない。そしてそれを突き詰めるには、どこまでも自分の感覚と対峙する必要がある。そこには “ 愚にもつかないくだらない世界 ” を悪く言っている暇なんてない。
私たちのホームベースであるあの世には『類は友を呼ぶ』しかない。同じようなカラーの同じレベルの存在としか触れ合わない。そして私たちが今いるこの世も『類は友を呼ぶ』ではあるけれど、時差がある。自分と全く接点のないようなカラーの人とも接触があるのがこの世。でもやはり時間が経つとカラーの異なる人とは縁が切れて離れていく。
“ 愚にもつかないくだらない世界 ” から離れられない、離れたように見えてもずっとそこにこだわって文句を言いながら引きずられているということは、結局は完全に同レベルということ。
そこから離れて理想の世界に生きたいのであれば、そこを叩いていても仕方がない。自分がレベルアップするしかない。それには一歩でも本物の自分を生きることができるよう、正当法で地味に努力を積み重ねるしかないんだよね。
そして本ものは社会で華々しく活躍するかどうかに関わらず、淡々と本ものの自分を生きている。今この瞬間にも、脚光を浴びずとも本当に意味のある生き方をしているよ。
本日もお読みいただきありがとうございました。
注:もちろん表舞台で派手に活躍したり、パッケージが綺麗な人でも本ものはいます。
こんなこと書いているのも、私も今までパッケージに釣られるボンクラだった経験があるから。そしてどれだけボンクラでもやり直しは効くものだからです。
Ship at Le Havre, 1905 by Georges Braque
これもフランス・ノルマンディー地方にあるセーヌ川河口の街
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