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優しさはこの三点から成る

 

何故こんなことを書いているかというと、2週間くらい前かな?ウクライナからベルリンに逃げて来た人たちを助けますよ!という人がこんなにたくさんいますというニュースを見ました。

 

『 うちの家ならこれくらいのキャパがあるので滞在してくれていいですよ 』というプラカードを持った一般市民が大勢駆け付けました。

 

本当に親切心があって善良な人たちがいてもたってもいられず、出来ることをしよう!と集まってきた。素晴らしいことですよね。そして実際それに助けられている人も多く、関係も上手く行っている人もいる。

 

 

でもこれを見た瞬間に『 ああ・・危ないな。これはすぐに問題が噴出してくるぞ。』と思ったのです。案の定ほどなくして18歳のウクライナ人女性が避難先で男性2人に暴行されたというニュースがありました。仮に犯罪レベルの何かがなくとも、一つ屋根の下で知らない人同士が生活するというのは大変難しく、いざこざは必ず出て来る。自分は大金持ちでホテルを何棟か持っていて、そこを全部逃げてきた人たちに空けるから使っていいよ!みたいな感じだと互いにプライバシーも守れて理想的でしょう( 実際そういう人がいた )。でも大抵はそうじゃない。

 

私が初めて『 人に優しくあるためには自分に余裕がないと無理なんだな 』と気付いたのは、ドイツに来たての頃でした。当時こちらで出会ったドイツ人たちは何というか猛烈にキリキリイライラしている人が多く、本当にびっくりするほど余裕がなかった。日本では( 実両親以外 )そんな人に縁がなかったので、もの凄く驚きました。それは私が日本人で人種差別がーという話でもなく( まあそういうのもないとは言い切れないけれど )、ドイツ人同士のやり取りを見ていても『 なんでそんなことでそこまで???』みたいなことがすごく多かった。

注:ドイツ人全てがそうだという話ではありません。

 

人間余裕がないと、自分が満たされていないと、無意識にも他人から有形無形の何かを奪おうとしてしまうのだなとその時気付いたのです。しかし大抵本人はそれに気付いていない。

今悲惨な戦争のニュースを見て自分も何かしなければ!という感情は尊い。実際生きるか死ぬか状態で避難してきた人はその日過ごせる場所があるだけでも御の字でしょう。けれどもたとえ心からの親切心で始めても、何か自分が満たされていない部分というのは必ず出て来るもので、その時『 自分は助ける立場、相手は言葉も出来ず知り合いもいない、援助を受ける弱い立場 』という互いの立場間で面倒な問題になって現象化してくるのは時間の問題。

 

そしてこの混乱に乗じてやはり弱った人たちを利用し一儲けしようとする犯罪組織が動き出すのは、これはもう古今東西当然の流れなのです。ニュースではウクライナ人男性は軍に入り闘うため国外に逃げられないと繰り返し流れていて、ということは女子供だけが着の身着のまま、云わば最弱状態で這う這うの体でやってくる。このチャンスを逃す手はないと避難民を組織ぐるみで誘拐しようとする人も多くいる。今ではある程度の公的援助組織ができ、助けを提供する側と受ける側がちゃんと公に登録してマッチングできるようになっているみたいですが、最初の頃は本当に何でもありで危険だった。

 

ロシアがウクライナに仕掛けた戦争はまだまだ続きそうです。隣国ポーランドもそろそろ避難民受け入れキャパが限界に近付き、更にロシアの領空侵犯があり、ロシア側の攻撃に備えて順を配備し始めたとニュースで見ました。今後もまだまだ助けが必要な人が大勢出て来る。何よりいつ自分がそちら側の立場に立たされるのか分からない。

そんな中で本当に優しくあるとはどういうことかを考え始めたら止まらず、書いてみた次第です。

 

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