十二大従星(四柱推命でいう十二運勢)とか十大主星(同:通変星)ってすごく大切ですよね。命式解釈で間違いなくここは外せないという主な部分。そしてある意味算命学(四柱推命)の集大成的な面があるので、それ関係のサイトや本、雑誌では必ずそこがメインになります。
でも。
たしかに大事なのだけれど、その辺ばっかりやってると・・・というよりその辺しかやってないと、いつまでたっても命式や後天運の読み込みがペラッと雑誌に載っているレベル、初心者レベルから抜けられない。いつまでたってもです。もっと大事なのはその奥、その背景に何が展開しているのかだよね。
算命学を始めた時
この学問では間違いなくここの部分が一番難しいし、一番大事なところだな
と分かったのは、本当に最初の方。最初に習う部分。
干支の成り立ち、その背景にある世相や常識、何がどう考えられて十干が成り立ち、いつから時間と空間の概念両方を取り入れて平面五行や立体五行に分けられたのか、どのあたりでどの宗教とどう混ざって行ったのか、何がどちら側に分類されるのか・・・といったところ。全部完全に理解して頭に入って、それを誰にでも分かりやすく説明できるまでになるには相当読み込まないと駄目だよ。本当にややこしいし難しい。
なのでこの辺何度も繰り返し読んでいますし、自分でまとめ直したりもしているのですが、やっっっぱり難しいのよね!笑
だからこそ面倒で、算命学とか四柱推命を本気で理解したいと思っていない限りパスしがちな部分。だってそこをパスして十大主星や十二大従星あたりをぺらっとなぞって、テキトーなソフトで命式を出して、それらしく繋げれば何となくそれらしい鑑定になってしまうから。知識のない一般人にはどれだけ深い学問で・・なんて一切分からないから、誤魔化せてしまう( けどどうしても全体を見通せず話が継ぎ接ぎになるので、一体何を言っているのか分からない鑑定になる )。
もっとマズいのはそのレベルでスクール(教室)を始めてしまうパターン。
一人一人ちまちま鑑定するより、複数集めて一人当たり凄い金額徴収すれば一気に稼げるから。でもやっている本人は全く理解できていないので、出て来る教科書が『 よくこれを教科書にしようと思ったな・・』レベルの薄くて内容のないもの。そしてまたそれにも全く見合わない値段が付けられる(※)。もちろん本気で勉強しようと思って何か質問しても、まともに答えられるわけもなく。
というのは別に批判をしたいわけではないのですよ。
だってわりとどこ見ても今の世相がそうだから批判しても仕方ない。したところで別に何も変わらない。本物よりもそれっぽい体裁を纏った何かで手っ取り早く楽して稼ければ賢い!凄い!成功者!みたいな風潮ね。それはどの分野にも見られると思う。社会が貧困化して余裕がなくなると、その傾向は一層強くなるからね。
しかし算命学ではそうなると、結局上に書いたように十大主星や十二大従星あたりを延々堂々巡りするだけで、いつまでたっても到底深くは読めないということになってしまう。
でもそれでは残念なんだ。それでは勿体ない。
算命学は(四柱推命も)そんな小手先でチラチラするだけのノウハウじゃない。もっと広大な視野を持つ総合的な東洋の思想、万象学、処世術であり、人生とは何か・この世界とはといったところを理解して、生きることに応用して行くのが大本命なのです。
なのでせっかく勉強している皆様は、最初壁にぶつかると思いますがそれを超えると新しい世界が開けて来るので(それが本当に面白くて楽しい!)頑張りましょうね、というお話でした。
Corridor in the Asylum, September 1889 by Vincent van Gogh
(※)そういうのを知っているからこそ、高尾先生の教科書は結構な値段しますけれど内容と照らし合わせて考えた時『 これ安くない!?この値段でこの知識を頂いていいのですか??』といつも思っていて、私はそれらをお勧めしています。
注:別に高尾学館の回し者じゃありません、全然無関係です(笑
でも小耳に挟んだところによると巷では教科書なしで(!)算命学を教える教室があるらしい。いやそれはどう考えても無理でしょう・・。
コメント