学校・幼稚園が休みなど非日常的な生活がスタートして5日目ですが
子供たちは毎日すっごい楽しそうです。
こういう時3人兄弟だと飽きずに延々遊べるからいいよね。
それにもう春で気候が良いので、うちの広いバルコンでボビーカーや自転車などで走り回ったり、マットレスや洗濯物干しで秘密基地を作ったり?派手に喧嘩しつつも盛り上がっています。
これで大人が私一人だと大変ですが 有能 of 有能 の夫も家に居ますので、何だか早めに夏休みが来たみたい。
彼も仕事が明日どうなるかも分からない状態ですが ( 皆だね )、その辺 精神的にヨロヨロならない人なので、昨日もバルコンでグリルを楽しんでいました。
などという日常生活に大分慣れてくると、ふと
しばらく外に出てない・・・引きこもり過ぎたわ。
外に出なくちゃ。
あっ
そっか、今全世界で引きこもり絶賛推奨月間なんだった!
と緊急事態を忘れるほど、家の中も家から見える外の風景も平和です。
が、現実はそうではない。
一昨日、アンゲラ・メルケルドイツ首相が
『 ちょっと国民に話がある 』
ってことだったので、我々家族一同もテレビの前に一列に正座し襟を正し聞き入ったわけです。(←)
私はアンジーのファンなのですが、それを差し引いても彼女のお話はとてもとても良かったので・・・
というと変ですが欠かせない要点を簡潔に、極めて分かりやすく、パニックを引き起こさないよう
細心の注意を払って丁寧に伝えられた非常に分かりやすいお話だったので大ざっぱに訳してみました。
コロナウイルスによって我々が日常生活で大きく試されています。
今まで当然であった通常生活が大きく制限され、誰もが 「 一体いつまでこれが続くんだ、この先どうなるんだ 」 と疑問に思ったり不安を持ったりしているでしょう。
今日国民の皆様にこうしてお話しするのは、この異常事態において私ドイツ首相およびドイツ政府が指揮をとって国をまとめているからです。
政治的決断に透明性を持たせ説明するというのは オープンな民主主義に不可欠 なことだからです。
出来るだけ良い理由付けの上で決断し、それについてコミュニケーションを取り、その議論の過程を皆さんが辿って納得できるように。
私は国民の皆さん一人一人が自分のこととして認識すれば、この状況を乗り越えることができると確信しています。
だからこそここで言わせていただきたいのは
事態は深刻である ということ。
大真面目に受け止めて下さい。
ドイツ東西統一以来、いや、第二次世界大戦以来今ほど国民の一致団結が必要とされることはありませんでした。
何故ここであなたが必要とされているのか。
何故国民一人ひとりが協力・貢献することができるのか。
私がここでお話しているのは全て政府、ロバート・コッホ研究所、ウイルス学者その他さまざまな分野の専門家と日頃協議した上での内容です。
今世界中で大きなプレッシャーを受けつつ研究開発に尽力されてはいるものの、まだコロナに有効なセラピーやワクチンは完成していません。
そうである以上出来ることはただ一つ。
感染拡大のスピードを抑え、治療薬やワクチンが完成するまでの時間をとにかく稼ぐこと。
治療が必要な病人が必要な手当てを受けられるよう、時間を稼ぐこと。
ドイツの医療水準は優秀で、世界でもトップかも知れない。
それは信用してもらってもいい。
それでもコロナの感染者が爆発的に増えると、医療機関はどこもキャパを超え手に負えなくなってしまう。
病人の数の問題ではありません。
そこにいるのはあなたの親であり祖父母、パートナーであり人間なのです。
私たちは一人一人の命と存在を大切にする社会に生きています。
医師、看護師、それに追随する医療従事者の皆様
あなたたちは今最前線で最も過酷な闘いに挑んでいる。
あなた方がまず感染患者に接し、毎日新たな局面に立ち向かっている。
あなた方の功績はものすごく大きい。
今この場を借りて心からありがとうと述べたい。
ウイルスがドイツ全土へ進行するのを遅らせるのに必要なこと、それは可能な限り外での活動を縮小すること。
もちろん国が機能していく必要があるので、適度に、ということになります。
生活必需品は確保されなければならず、経済も出来るだけ回さなければいけない。
ただし感染の可能性は出来るだけ下げなければいけない。
今の状況でも大変なのは良く分かります。
イベントもコンサートもメッセも中止。
学校も休校。幼稚園も大学も閉まり、公園でも遊んではいけない。
政府や各州によるこれらの決定が、どれだけ民主主義では当然とされる自由を制限しているか、分かります。
これはドイツ連邦共和国史上初めてのことです。
移動の自由、行動の自由といった ( 歴史の中で )“ やっと勝ち取った権利 ” を制限できるのは
どうしてもそれが必要でそうする以外他に方法がないといった理由がある場合だけ。
民主主義ではこのような制限は軽々しく認められるものではなく、必要最低限かつ一時的なものでなければなりません。
が、今の状況というのは人命救助のために、それらの権利の制限がどうしても必要なのです。
だからこそ今週の始めから大切な仲間である近隣諸国との国境の行き来を制限したり、封鎖したりしています。
大企業も小企業も、お店、レストラン、自由業の人たち全てにとって既に状況は大変厳しいものになっています。
今後もっと厳しさは増すでしょう。
経済的衝撃を和らげるために、ドイツ政府は出来る限りのことをすると約束します。
また全ての人に、生活必要物資は十分にあると安心して欲しい。
棚が空っぽになっても次の日には十分供給されます。
そしてそのような状況の中お店のレジ担当、現場で棚に商品を満たす係の人、本当に大変な仕事をどうもありがとう。
店を開けておいてくれてありがとう。
拡大スピードの速すぎるこの感染症を少しでも食い止めるのに絶対必要なもの、それが私たち自身なのです。
この危機的な状況でこそ大切な人と身を寄せ合って助け合いたい、というのは分かります。
ただし今回の場合はそれが裏目に出ます、逆なんです。
互いのためになるのは、人と距離を置くこと。これが助けになります。
人との会合、コンタクトは可能な限り中止して下さい。
祖父母と孫を近づけない、というのは専門家の科学的理由を根拠としています。
人との距離をとること自体が過密に向かう病院を、そして我々の社会を助けることになるのです。
誰かを気にかけることを、愛情表現することを今までとは違った方法ですることも可能です。現在であればSkypeもメールもあり、手紙を書くのもいいでしょう。
この一時的な決まりを守ってください。
そして冷静に状況を把握し、必要な行動するためにも噂やフェイクニュースを信用しないように。
我々は民主主義を生きています。
強制の中で生きるのではなく、知識を共有し、協力の中で生きているのです。
これは歴史的な課題であり、協力することでしか乗り越えられない。
犠牲者が何名に上るのか、どれだけの愛する人を失うことになるのか
それはほぼ我々の手にかかっています。
今すぐにキッパリ態度、言動を変えていく。
今現在の制限を受け入れて ( それにより ) 互いに助け合う。
この状況は深刻であり、まだ終わっていません。
今後の状況如何は、皆さんがどれだけ決まりを守り、どう行動するかにかかっているのです。
未だかつてなかったほど心から、理性的に振舞うのです。
( 未来は ) 例外なく一人一人に、そして我々全てにかかっています。
ご自愛ください、そして大切な人のことも注意してあげてください。
どうもありがとう。
彼女の発言はいつも、艶やかな知性が隅々まで行き渡った、静かで威圧感のない、実に分かりやすく正しく、そしてとても美しいドイツ語でなされるので
政治家、一国のリーダーはやっぱりこうでなくっちゃな!
と思うのです。
そしてこのお話の後FBで見つけたのがこれ
家のソファでゴロゴロしてりゃ人の命を助けられるのなんて
人生で初めてだぞ!
乗り遅れるな!
笑
にもかかわらず、相変わらず以前と同じように生活し、飲みに行ったりパーティーをしたりする人が後を絶たないので、明日!フランスのように外出禁止令が出るかも、と言われています。
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