っぱシャコンヌよ!
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行って参りました、Isabelle Faust/イザベル・ファウストさんの
バッハ、無伴奏バイオリン祭 in Dortmund/ドルトムント!

もう楽しみで楽しみで夜何回目が覚めたか分かりませんとも!
途中休憩が入るにしても長丁場なのは重々承知。トイレに行きたくなって集中力が逸れないように、雀の膀胱のわたくし前日の18時から1滴も水分を取らない気合いの入れよう!!
いや、前日も20時からコンサートがありましてね。そのためでもあったのですが。

こちらは私の好きなFrank Peter Zimmermann/フランク・ペーター・ツィンマーマンさんがケルンでベートーベンのバイオリンコンチェルトを演奏なさったのです。これも楽しみにしていたのですよ。
しかし・・・彼自身はいつ聴いても私の好きな最高のパフォーマンス。ただ案の定というべきか
オケとソリストとでレベルの差がありすぎて、オケがソロの足を引っ張るこの現象、何と名付けるべきか
などと考えずにはいられない舞台でした。
ま、いいや。
ん~でも本日は最高に良かった~!
珍しく自由席でしたので、絶対にいい席をゲットするのだと覚悟を決めホールには一番乗り。そして最前列のど真ん中で聞きましたとも!

彼女の『Sleeping Beauty』と美しい名の付くストラディバリウスを絶対に間近で堪能したくて。
バッハの無伴奏全曲を聴いたのは果たして何年ぶりだろう?もう何もかもが懐かし過ぎて、何という濃厚で特大の贅沢。バイオリンとはなんと素晴らしい楽器なのだろうか。

舞台上でも鼻をかんじゃうイザベルさん、善き。
そしてチケットが35ユーロ。なめてんの?という値段。どう考えても350ユーロの価値はある演奏でした。あの裏に隠れた、日の元に晒されることのないとんでもない膨大な努力の厚みを考えると、そしてソロコンサートの大変さを知っていると
誰が35ユーロやて?

みたいになっちゃいます。
もちろんスポンサーや国からの補助金で運営されているはずなので、その恩恵に与れてしまうわたくし、何と良い有り難い人生を送っているのでしょう・・・としみじみ感謝いたしましたね。
ところで彼女は下手をするとまとまりのない、しっちゃかめっちゃかでよく分からない人生になっていてもおかしくない命式。

それがソロバイオリニストでベルリン芸術大の教授という、実に常識的な枠の最高峰で生きる人。静かな佇まいながら優れた知性と意志の強さが感じられる方で、ここまでこられるまでにどれほどのご苦労があったろうか、きっちり家庭で育てられ、自分を律する確固たる目標を胸にコツコツ頑張って来られたのだろうなと。
そしてどう聴いても調舒星の演奏じゃない。そして確実なんだけど比肩+健禄(貫索天禄)とも全然違う。
いや~良かったな。また聴きたい。
でも今日の彼女のコンサートですら、ホールの2階は封鎖で1階が半分埋まるくらいの感じだったので、やはり楽器一本のコンサートってなかなか企画されないのですよね(財政的にプラスにならないので。うん、よく知ってる(泣)。
今日コンサート会場にいた人は皆、間違いなく相当なマニアですよ。

早く着きすぎて中に入れてもらえない我々。
あ~良かったなぁ~(こればっかり)
つやつやに伸びていく木の音の振動がまだ体の中に残っていて最高だ。今日私は確かに彼女の命の欠片を頂戴した気がします。
また聴きたいなあ(こればっかり)
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本日もお読みいただきありがとうございました。

彼女の衣装、おそらくIssey Miyake/イッセイミヤケだと思うのだけどどうだろう。


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