ドイツは離婚率が約50%、みたいな説をよく聞くのですが最近見た記事が全然違ったのでご紹介。
FAZという新聞社の記事で
Die meisten Ehen enden im Grab 29.11.2019
殆どの夫婦関係は死によって解消される。
Bis dass der Tod euch scheidet: 69 von 100 Ehen dauern ein Leben lang und enden erst durch den Tod des Partners. Wenn es vorher auseinandergeht, reicht meist die Frau die Scheidung ein.
死が二人を分かつまで:
100組に69組の夫婦は配偶者の死によって初めて婚姻解消。
それ以前に離婚に踏み切る場合は、大抵妻側から離婚の申請がなされる。
詳しい内訳は以下の通り
これ↑ は離婚率ではなく具体的な離婚件数を表示したもの。
69%の夫婦が死ぬまで夫婦で居続ける
ということは 残り31%殆どが離婚率 ってことになるけど
結構低くない、離婚率!?
日本語で ドイツ離婚率 を検索すると
約50%がっ!!
みたいなのが山ほど出て来るのだが、何でしょうねあれ?風説の流布かいな??
それでは、と思ってドイツ語で調べてみると ( ドイツ離婚率=Scheidungsrate )こんなのが出て来たわ
離婚統計:毎年何人が離婚するのか?
これによると、離婚率の推移は以下の通り
このページはその名も Scheidungs.org ( 離婚.org )
で、FAZ の統計が2016年のものだったのでこちらも同じ年で離婚率を見てみると
- FAZの結果: 31%
- Scheidungs.org の結果: 39.6%
と結構差があるのよね。
しかしとりあえずは日本語で流れている情報の
ドイツ離婚率≒50%!
みたいなのは 随分違う ということが分かりましたね。
そうするとドイツの方が離婚率は日本よりはるかに高いイメージだったのが、実はあまり変わらない or ドイツの方が低い可能性もある、と。
ちなみにドイツで離婚申請するのは、大抵は妻側からということらしいです。
で、離婚する確率が最も高いのが結婚後6年目とか。
まあこの件だけではないのですが、日本語で流れているドイツ情報ってほんっとに間違いとか嘘が多いですね。
びっくりするわホンマに。わざと嘘を流す意図はないのかも知れないけれど、現地語が分からないと情報源から2次、3次、4次情報・・・とどんどん離れたところの情報しか得られないのでこんなことになっているのかと思われます。
しかしこの統計結果が正しかろうが間違っていようが自分事として真に受けなくていい のですよね。
ドイツの離婚率はこうだから
日本の離婚率はこうだから
国際結婚の離婚率はもっともっと高いから 云々
こういうのを見るたびに思い出すのが、日本の大学受験の合格率。
例えば定員の30倍の人数が受験すれば、そこに入れる確率は1/30。
でもだからといって
自分の合格率は1/30しかない、ぎゃー!
というわけでは全くない。
宝くじのように前提条件無関係で、ただ確率だけが平等に割り振られるわけではないからです。
受験者の学力如何で確率も全く異なって来る。
離婚率に関しては更に、受験の場合のように判断要素が1種類だけではなく
- 年齢
- 出会い方
- 家族関係
- 地理的要素
- 文化的背景 云々・・・
それこそ無数の要因があるので、何もかもをごった煮にした結果をネガティブに真に受けて自分に当てはめて考えることほど無意味なことはありません。私たちは単なる数字ではないからね。
へーそんな世界もあるんだねえ
とお伽噺を聞く感じで、それとは別に
自分はどうなのか?
どうありたいか?
どうしたいのか?
やっぱりここに戻ってきますね。ここを何よりも大切に。
自分の人生を生きるのは自分しかいないのだから周りに惑わされる必要は全くないのです。
Pablo Picasso with Jacqueline showing the plate ( pour Lump ) to his dog ( 1957 )
微笑ましい図ではありますが、このジャクリーヌさんも後に自殺。ピカソの女性に対する死神っぷり、すごい。
注: ピカソの周りの女性は何人も自殺しています。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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