昨日の記事の続き:
さて。
天使視点で世界が描かれる時、人々の心の呟き が聞こえるのですが
これがね。映画では本当に細やかな声で、もそもそ言っていて聞き取りにくい。
そう!そうなんですよ、そうなの。←こればっかりw
あっち側の存在からすると、人間界の 言葉 ってとても分かりにくいのです。
その気になって一生懸命分かろうとすれば分からないことはないけれども。
言葉はこの世的伝達ツールでしかない。
じゃぁ一体何であればあっち側に直通するかというと、無数の言葉や思考の奥にある 感情・気持ちの部分。
要はその人の核の部分。
今家賃がこれくらいで収入これくらいなだけどアレにどれだけ使っちゃって他にも借金がこれくらいあってギリギリの生活してて毎日もやししか食べてなくて貧血気味ででも明日には次の家賃払わなくちゃいけなくてうんたらかんたら・・・ああ苦しいどうしよう辛い!!
の
苦しい辛い!!の部分、感覚しか直通しない。
逆にそこの部分は直通電話どころか、まるで自分のことのように向こうではキャッチできます。
それ以外の、上に薄い色で書いたような 三次元的個別具体的事情は知ったこっちゃない んですよね。
地上の人間たちの都合や思考はあちら側の存在に分かりにくい ということが、この
本当に細やかな声でもそもそ言っていて聞き取りにくい という作中の描写で表現されているのです。
天使同士の会話が明瞭で音量も十分あること との対比からも良く分かります。
これは本当のところを分かってないとこんな描写できません。そして観てる側にしても、分かる人にしか分からない。
暗示的で暗号みたい。伝わる人に伝わればいい、と思って作られた映画ですね。
で、天使ダミエルは念願叶って地上に人間として降り立つのですが、先にもう人間になった元天使の先輩たちが沢山います。その中の一人が、刑事コロンボで有名なこちらの方
彼は現世で人間として存在しながら
自分があちら側の世界から来たことを知っているし
目に見えない存在が近くにいることも常に分かって、意識していて
その目に見えない存在にしょっちゅう話しかけている。
あんたのことは見えないけどさ、そこにいるのは知ってるよ。感じるんだよ。
もうずっとこの辺うろうろしてるだろ?顔を見たいよ。
で、あんたの目を見て直接言いたいんだ
この世界がどれだけ素敵かってことをさ。
何かに触れるってだけで、もう素晴らしい感覚なんだよ。
( 先輩天使の独白中 「 何かすごい変なやつおるわ・・・ 」 と懐疑的な目で見る店の主人・笑 )
タバコを吸う
コーヒーを飲む
その両方を同時にやるとかさ、もう最高なんだよ
それとか、鉛筆で描く
線をこう引くだろ?
隣にまた薄く引く
そこから素晴らしいものができあがるんだ。
それとかさ、手が冷たい時はこうして両手を擦り合わせる
これがまた良いんだよな。
( 相変わらず店のおっちゃんは疑惑の目を向けていますが、彼には真ん中にいる天使ダミエルは見えてないのです。なので画面右のおっちゃんが独り言を言っているようにしか見えていない、と。)
この世には本当に素敵なことが沢山あるよ。
でも、僕はこちらの世界にいる。君はそちら側の世界。
君がこちらの世界にいてくれたらなぁ!と思うよ。
そしたら一緒に話せるじゃん。僕は君の友達なんだよ。
目に見えない後輩天使に握手の手を差し伸べる先輩天使
で、念願叶って天使ダミエルは人間になります。
うおっ!すごい!頭から血が出てる ( 大歓喜 )♪
その後、先輩天使とのこの世での初対面のシーン
こっちに来てどれくらいになるの?という質問にダミエルが答える場面
分、時間、日、週、月・・・時間だ!時間がある!( 大歓喜 )
と感激。
そう あちらの世界には時間は存在しません。だからダミエル天使は最初の方で
永遠の時に漂うよりも “ 今 ” という瞬間を実感したいんだよ
と言ってましたよね?だからこそ時間を初めて実感できて、むちゃくちゃ嬉しいんです。
更にダミエル:
あんた、僕に話すことが沢山あるって言ってたでしょ?僕も聞きたいんだ、何でも全て知りたい!
すると先輩天使はこう答えます
自分でやってみ?それが楽しいんだよ。
次回は、この映画が言いたかったことのまとめ です。
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