『やっぱりそうよね』な話。

17世紀イタリア・バロック期に アルテミジア・ジェンティレスキ/Artemisia Gentileschiというの女性画家がいましてね。
女性は法的・社会的に男性の保護下(というと聞こえはいいですが、まあ所有物ですね)に置かれ、単独での職業活動や契約はほぼ不可能であった時代に、画家として大成した人です。
この方の命式がこれ。

癸巳が2つで、持っている要素が私ととても似ています。
彼女の命式風景画も私のそれとほぼ同じ。
これは私の命式風景ですが、彼女のは見た目がこの海がないバージョン。
つまりあたり一面火の海で、そこに囂々と雨が降りしきる夏の風景。
その中でも雨が彼女の核を表しています。
つまり水火の激突が大きくて、彼女は自分の中の火性に押され気味。


五行の相剋って
・火と水
・木と金
・土と土
・土と木
・金と木
・水と土 など色々ありますが、水と火のぶつかり合いが最も激しいのですよね。
自らの内側に大きなバチバチを抱える彼女。
18歳の時、別の画家に性的暴行を受け、その後の裁判で被害者なのになぜか彼女が拷問を受けるという散々な目に遭います。
それを踏まえた上で見て頂きたいのですが、『ホロフェルネスの首を斬るユディト』というテーマの絵があります。
(これは旧約聖書「ユディト記」の一場面。ご興味ある方だけ▼をクリック。)
敵将ホロフェルネスがユダヤの町ベトゥリアを包囲し、水源を断って降伏寸前まで追い込む。
そこでユディトは信仰と知略で敵陣に潜入し、美貌と会話でホロフェルネスに取り入り、宴で酔わせて油断させます。そして夜 彼が泥酔して眠った隙に、彼の首を自ら剣で斬り落とし、従者とともにその首を持ち帰るのです。
その結果アッシリア軍は指導者を失い混乱。町は救われます。

こちらはアルテミジア・ジェンティレスキのこれまた画家であった父 オラツィオ・ジェンティレスキの描いた『ホロフェルネスの首を斬るユディト』。
Orazio Gentileschi – Judith and Her Maidservant with the Head of Holofernes
これはカラヴァッジョ(Michelangelo Merisi da Caravaggio)の描いたそれ。

そしてアルテミジアの描いた作品がこちら。
父さんの『心ここに非ず&よそ見』バージョンや、カラヴァッジョの『うぇぇ嫌やわ・・でもまあやりますけど』バージョンと違ってアルテミジアのそれは
渾身の断頭!!

『どりゃ~!!』
良いですね、非常に良い
彼女は例の裁判の後フィレンツェに移り、メディチ家などの庇護を受けて女性初期のアカデミー会員にもなり、職業画家として成功しています。
今よりもはるかに女性に人権がなかった時代。
たとえ理解のある、しかも画家である父ちゃんのバックアップがあったとはいえ、有能で成功した女性に対する風当たりは想像を絶する激しさだったでしょう。特に男性からのそれはね。
それに対する怒りが、この首を斬るユディットの腰の入り方、容赦ない殺る気満々&ガン決まりな眼差しと姿勢ではないでしょうか。
そして隣で『全力でいったれ!』とばかりの気合の入った表情の助っ人も、非常に良いですね。良い。

男性視点と女性視点、同じものを見るも表現するも、かくも異なるものなのです。ふふふ。
これは斬首した後の首を持って帰還途中の二人。
ユディットの剣の担ぎ方と『っしゃ~ひと仕事終えたったで!』な眼差しが、もう手練れのそれなのよ(笑)

って別にこんな絵ばかり描いているわけではなく、晩年はナポリやロンドンでも活動し、宮廷や富裕層の依頼を受けて制作を続け、1650年前後にナポリで亡くなっています。
なのでこんなのも。

美しき優等生的バロック絵画
あら?また絵の話ばっかりになっちゃったわ・・・
最近『癸巳という同じ干支ばっかり重なる今の時期、ボケるししんどいねん』みたいな話を書いたと思います。どの記事か思い出せない程度にはボケてる。
で、このアルテミジアさん。
やっぱそこですよねー!!
なところでお亡くなりに。
同じ干支や五行、同じ運気の条件が重なりすぎるところはしんどい。どうしてもバランスが崩れます。
彼女の場合は更にあれもこれも重なったところで昇天となった、と。
逆にこういうところで生き延びると、一般的には『長生きできて良かったね!』みたいになりますが、幾重にも重なる難しい運気的条件の下でまた何年も頑張らなくちゃならなくなるので大変なのですよね。
というわけでわたくしも後数年で!と希望を持った彼女のお話でした。
本日もお読みいただきありがとうございました。
金槌と杭を持ち日常茶飯事的に慣れた手つきでサクサク・・・暗くて見えませんが後ろの石柱にはアルテミジアの名が刻まれています。

ヤエルとシセラ

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