貧しさと豊かさ（1）

 

 

 

 

 

アメリカ Bloomberg 「 貧困の原因は個人の素行じゃない。日本を見ろ。みんな真面目なのに貧困すごい 」

 

 

元ネタの記事 （ インチキ英語力の私でもスラスラ読めるくらいの英語なので、上のNaverのまとめよりこっち読んだ方が分かりやすいかも ） ：

 

Stop Blaming America’s Poor for Their Poverty

In Japan, people work hard, few abuse drugs, crime is minimal and single mothers are rare. The country still has lots of poverty.

 

アメリカの保守派の多くは、貧困は主に個人の思考、態度に起因すると思っている。

彼らは貧困を全く理解していないんだ。

 

たとえば日本の貧しい人々は正しいことしかしてない。

仕事する、暴力を避ける、ドラッグはやらない、未婚で子どもは持たない。

なのに貧しい。

これは　貧困は個人の態度に起因するものではない　ということを示唆している。

 

アメリカでは保守派はしばしば貧困を怠惰、犯罪、無責任のせいにする。

こういうステレオタイプは特に黒人に対して適用されるよね・・

でもこの貧困の 「 モラル 」 視点は、貧しい白人たちにもしばしば適用される。

 

もし暴力、ドラッグ、未婚の出産、労働意欲の無さなどが貧困を主に引き起こしているのであれば、こういうことを殆どの人がしない国々では貧困率は極めて低いはずだと予想するでしょ？

 

私は偶然にもそういう国を知ってるんだ。

日本だよ。

 

日本は見方によっては地球で最も暴力的ではない国。 

 

 

ドラッグをやる日本人もすごく少ない。

 

じゃあ１人親は？

割合はアメリカよりかなり低い。

 

じゃあ怠惰なの？

うおっ！日本人は超働く。

アメリカ人より仕事あるが人多いよ。

そして更に長時間働く。

 

ってことは日本は他の裕福な国々より貧困少ないはず・・・となるよね？？

 

間違い！！

 

日本の貧困率はヨーロッパよりアメリカに近い。

日本の貧困は隠されてる。

政府も人々も必死に隠そうとしてる。

 

 

多くの日本人は一度貧困に落ちると決して戻れない。

この国は350万の子どもが貧困状態にある。

子どもの貧困率は14％。

 

つまり日本の現状は 「 素行の悪さが貧困の主な原因 」 という保守派の理論がすごく間違ってるってことさ。

 

じゃあ貧困の実際の原因は何？

 

貧困は市場経済の当然の結果。

貧困をどうにかするには、困難に陥った人たちをサポートするために介入する必要がある。 

ヨーロッパの福祉国家を見なきゃ。

最低賃金あげるとか。

貧しい人々の素行を良くするために彼ら彼女らをいじめる代わりにね。

 

 

貧困は個人の怠惰に起因する　と考えちゃダメだよ、という記事ですが

日本の貧しさに関する記事とも言えます。

 

この貧しさ、豊かさということについて書きたいことが山ほどあるのですが、これを機にちょっとだけ （ のつもりが長くなったので2回に分けて ）。 

 

 

豊かだ、貧困だを語る時、大抵の人は 「 お金 」 を基準に考える。

 

この記事でもそうでしょう。

 

 

でも違うよ、そこじゃない。

 

 

時間なんだよ、本当に大事なのは時間。

 

 

それをまるで お金が全てで、お金を中心に人生の豊かさ、貧しさが決まる と殆どの人は完全に思い込まされている。

 

だから

 

年収〇〇万円が～

福利厚生が～

どこどこの土地に家を持っていて～

 

みたいなところにばかり目が行ってしまう。

そっちに目を逸らされてしまってる。

 

年収さえ高ければ

大企業で安定してれば

不動産さえ持ってれば

豊か。

 

一体何でそんな発想が出て来たんだろう？？

 

 

お金なんてなくても幸せは～♪　みたいなことを言いたいわけでは全くない。

 

お金はこの社会で生きていく上で、絶対に大事。

 

 

でも 人生の豊かさ、貧しさを決めるのは、その奥にある時間。

 

何故なら 時間にはありとあらゆる可能性が含まれているから。

 

いくら有形の富を持っていても、時間がなければ何にもならない。

 

本当に何にも。

 

本末転倒。

 

 

 

私の日本の友人知人はほぼ皆、いわゆるちゃんとしたところにお勤めしている。

 

たとえば婚活市場にプロフィールが出回れば、確実に入れ食い状態になるようなステータス。

 

なので私の視点もある意味偏っているかも知れないし、上の記事とは中身も対象も異なるけれど。

 

 

そんな彼ら （ 彼女ら ） から話を聞いていると

 

皆が皆絶望的に時間がない のである。

 

その時間の無い生活は、私にはどう頑張っても真似も想像できないほどの過酷さ。

 

 

誰もが知っているような企業に属し

上位何％のお給料をもらい

もちろん家も購入済み

 

でも平気で

 

本当に平気で

 

自分の仕事は

 

夏休みなど季節のまとまった休みなし

盆暮れ正月なし

土日祝日しか休みがない

 

というようなことをさらっと言い （ もちろん職種による ）

 

それを甘んじて受けるというより、むしろそれが自慢であったりする。

 

 

全く分からない。

 

何故平気なのか。

 

自分の人生をほぼ丸ごと乗っ取られてしまっていることが

何故自慢すべきことにカテゴライズされるのか。

 

自分の人生のコントロール権を誰かに明け渡してしまうことは

本来恥ずべきことなのに。

 

自分は自分のプライベートを持つことも許されず、ただただ労働に従事するだけであると表明していることに他ならないのに。

 

 

私はそういった話を聞くたびに

 

大学を卒業してから今現在までの長い時間

人生で最も気力体力の充実する、最高に素晴らしい若さのある約25年もの間！

特に好きでもない、条件だけで入った企業に毎日を費やし

家に帰る時間もほとんどなく

帰る時間がないから家を使うのも日々数時間だけ

そのほぼ使わない家の購入のために日々を費やし

もちろん趣味に充てる時間もなく

のんびりする時間もなく

自分の人生なのに朝起きる時間すら自分で決めることができず

旅行なんてまた冗談を！の世界で

同じ土地で狭い範囲の往復のみ

ただ人より少しお金はあるという生活をキープするためだけに

25年もの年月を過ごしてきたのか

 

それだけの期間まともに休日があれば、一体どれだけの色とりどりな経験を積むことが出来ただろう

 

と想像するだけで

 

体から一気
に命も水分も吸い取られ、ミイラになってしまうような感覚に襲われる。

 

 

 

皆とても優秀だ。

 

間違いなく本当にとても優秀なのだ。

 

子供の頃から優秀であり

頑張って良い大学に入り

頑張って良いとされる会社に入り

 

その結果実現する生活が、自分の時間のほぼない生活。

 

無限大の可能性の詰まった時間をほぼ丸ごと潰される人生。

 

そして時間がないということに気付いてすらいない。

 

 

 

 

明日に続く

 

 

 

 

 

　いつも応援ありがとう